遺言 ~知っておこう~
1.この遺言は有効か無効か? 2.安全・確実な公正証書遺言の作成法 3.自筆証書遺言の作成法 4.遺言書はいつ書く? 5.緊急時の遺言 6.愛するペットへ 7.遺言とエンディングノート .............................................................................................................................. |
★パソコンで作成した遺言状は有効?無効? ⇒無効です!
自らパソコンを使って遺言を作成した場合、その遺言は、自筆証書遺言になりますが ↓ 自筆証書遺言が有効となるための必要条件 ・自ら遺言の内容の全文、日付、氏名を自書すること ・押印があること パソコンによって作成された遺言書は、 自署することという条件を満たさないため無効になります
★録音・ビデオ撮影による遺言状は有効?無効? ⇒無効です!
遺言は書面にしなければ、効力はありません |
公正証書遺言は、公証人役場において公証人が作成する遺言書です ※原本が、公証役場に保管されるので、紛失・偽造・変造の心配がありません ※公証人が確認するので、確実な記載ができます
~作り方~
1. 遺言書の原案を作成する
2. 証人(二人以上)を決める ※司法書士等の専門家にご依頼ください。遺言作成のアドバイス・サポートも受けられます。 知人等にも依頼できますが、遺言内容が漏れてしまう可能性も… 3. 公証役場へ、公正証書遺言の作成日時の予約をする
4. 必要書類を用意する 印鑑証明、戸籍謄本、固定資産評価証明など
5. 作成日時に、証人とともに、公証役場へ出向く
6. 公証人の前で、遺言の内容(原案)を口述する または、公証人に遺言の原案を渡す
7. 公証人が、遺言内容を筆記する
8. 記載内容を確認し、遺言者と証人が署名、押印する
9. 公証人が、署名押印する といった手順になります。
費用がかかる・手間がかかる・証人が必要になる、といったデメリットはありますが、 安心・確実な遺言を希望されるなら、ぜひ、公正証書遺言を! |
いつでも簡単に、自分一人で作成できるのは、自筆証書遺言です。 紙・ペン・印鑑があれば作れます しかし、自分で簡単に書ける一方、 形式に不備があれば、せっかくの遺言が無効になってしまう、という危険があります!
自筆証書遺言を書く際の主な注意点 *全て本人の自筆であること(代筆・パソコンで作成したものなどは無効) *作成した日付を正確に書く(自筆) *署名(自筆)・押印があること(認印でも有効ですが、できれば実印で) *”誰に””何を””どれだけ”相続させるのか、明確に書く *財産は分かりやすく書く 例えば…不動産であれば、登記簿の記載どおりに書く 預金であれば、銀行支店名・口座番号などを書く など *記載内容を訂正する場合には、厳格な規定があるため、要確認! (規定に沿ってないときは、無効となってしまいます。) ※重要な変更がある場合には、新たに作成し直したほうがいいでしょう *なるべく、封筒に入れて封をしておく (遺言書の押印に使用した印鑑と同一の印を封筒の封印に使用します。)
自筆証書遺言は、簡単に作成できるがゆえに 形式の不備で、有効・無効で争いになるケースが多々あります。 できれば封をする前に、専門家(司法書士など)に、遺言が有効なものか相談を! |
遺言というと、なんとなく ”死期が近づいてからに書くもの”といったイメージがあります。
しかし、遺言を書くには、正常な判断能力がなくてはいけません ※自分の行為の結果を判断できる能力(=遺言能力)
もし認知症などで、遺言能力がないと判断されると、 その遺言書は無効とされてしまう可能性も。 また、遺言書の内容をめぐっての相続争いを生じさせてしまうこともあります。
★判断能力がしっかりしているうちに ★記憶が明確なうちに 書いておくべきでしょう!!
元気なうちに、書こうと思い立った時が、遺言を書くべき時です!!
・結婚した時 ・子どもが産まれた時 ・退職時 ・結婚記念日 ・誕生日 などの人生の節目に書いておくのもいいかもしれません。
早くから書いておいても将来どうなっているか分からない…ということもありますが 遺言書は、状況の変化に応じて、何度でも書き直すことができます。 |
万が一、突然、命の危険がせまった時、遺言を残すことはできるのか
突然胸の痛みに襲われて病院に運ばれ、そこで、自分の命がもう長くない事を悟る… このように、病気などにより、死亡の危険がせまったときに遺言を作成しようとする場合
“死亡危篤者の遺言”という方法が認められています。
「死亡危篤者の遺言」とは… ・証人3人以上が立ち会いをする ・遺言の内容を、遺言者自身の口から述べてもらう ・口授を受けた者がこれを筆記する ・このことを筆記した者は、遺言者及び証人にそれを読み聞かせて正確性を確認する ・各証人が署名捺印をする これらの要件を満たすことで可能なります。 ※緊急のものなので、遺言の日から20日以内に 家庭裁判所に確認の手続をとらないと効力がなくなります。 しかし・・・ この方法は、 遺言者の真意か否かが微妙な場合も考えられるため、裁判上の紛争になることもあります もし、自ら遺言書を書けるようであれば、自筆証書遺言にすべきでしょう |
もし自分が先に亡くなってしまったら、愛するペットはどうなってしまうのか心配… “いざというときのために、愛するペットのために遺言を遺したい・・・” と望まれる方も増えてきました。
しかし!法律上では、ペットに財産を持つ権利は与えられていないため ”ペットに財産を譲る”といった内容の遺言は効力を持ちません!
どうすればいいのか?
☆方法1 信頼できる人(団体)に ”ペットの世話をするという条件で、財産を譲る” といった内容の遺言を書いておくことができます。 例)AさんにペットのBと○○万円を譲る Aさんは○○万円を受けることの負担として、Bの面倒を見ること。
☆その他の方法 ・負担付死因贈与契約 自分が亡くなった後、財産の一部を譲る代わりにペットの面倒を見てもらう という契約を交わしておく。 ・負担付生前贈与契約 自分が怪我・病気などで、どうしてもペットの飼育ができなくなった場合 財産の一部を譲る代わりに、ペットの面倒を見てもらうという契約を交わしておく。
遺言は、一方的な意思表示になりますが (※遺言による場合は、事前に承諾を得ておきましょう) 契約は、両者の合意によって行われるものになります。 |
エンディングノートは ・経歴 ・これまでの思い出 ・ライフスタイル(趣味・好き嫌い・日常生活のこと など) ・先祖のこと(家系図など) ・医療のこと(かかりつけ医・持病など) ・介護や終の棲家(老人ホームなど)についての希望 ・葬儀・納骨などについての希望 ・財産の記録 ・家族や親友へのメッセージ など チェック式や、一覧表に書き込んでいくような形で、簡単に書いておくことができます。 亡くなった時、どの財産を誰にあげたいか、といった希望も書くこともできます。 エンディングノートは、形式や書き方にとらわれることなく、自分の思いを自由に書くことができるため、遺言よりに比べて、自身の思いを十分に伝えるには、とても有効なものといえます。
だたし、遺言と違って 法的な効力はありません!!
自分が亡くなった後の、遺産分割に何か強い希望がある場合は *財産については遺言書 *その他の希望は、エンディングノートで と分けて活用させる方法もあります。 |